慢性的な頭痛に悩む患者さんは非常に多く、主訴が腰痛や肩こりで来院されても、実は慢性的な頭痛を抱えていらっしゃる方を多くお見受けします。
近年、慢性頭痛に対しては予防の段階から保険適用となる新薬も承認されており、正しく専門医を受診することが推奨されています。
一方で、薬物使用過多による頭痛(Medication Overuse Headache:MOH)という厄介な頭痛の存在も知られており、一般用医薬品(市販薬)によって一時的に頭痛を和らげることを繰り返している方に認められる頭痛とされています。とはいえ、つらい頭痛によって仕事の効率が低下することは、日本の経済や社会保障を支える生産年齢人口にとって避けたい問題です。
最近、市販薬を購入する際に特に注意すべき配合成分に関する記事をよく目にするため、当院でも患者様にお伝えするようにしています。わが国では多くの解熱鎮痛薬に、アリルイソプロピルアセチル尿素(通称「ア尿素」)という鎮静成分が配合されていますが、米国では一般用医薬品の成分として認可されておらず、韓国やオーストラリアなどでは麻薬類として国内への持ち込みが禁止されているとのこと。
ア尿素が配合される目的は、イブプロフェンやアセトアミノフェンなど主成分の鎮痛作用を補助することに加え、鎮静作用(脳の興奮を抑え、不安を軽減する作用)を持つためです。しかし、この成分には依存性があり、MOHの原因にもなり得ることから、服用に際しては特に注意が必要とされています。
普段何気なく、あるいは藁にもすがる思いで服用している頭痛薬について、一度その成分を確認してみてください。同じブランドの薬でも配合成分を比較すると、ア尿素やブロモバレリル尿素(通称「ブ尿素」)などの依存性成分が含まれていない製品もあることを、ぜひ意識してみてください。